この夏も、皇室からご用命を頂きました。
ロイヤルファミリー3代にわたる"皇室御用達"濱野家バッグ。
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濱野家とロイヤルファミリーとのご縁は"馬"。
当時ハワイで、馬をこよなく愛するあまりポロのプロ競技者として名を馳せるまでになっていた先代濱野敬之が、陛下のポロ競技のご指南役を拝命し、参内を許された事にあります。
それをきっかけに、ハンドバッグと言えば濱野家に・・・と3世代の永きにわたり今なおご指名を頂戴しております。通常の皇室御用達ブランドは、お1人からのご指名であり、濱野家のように3世代を超えてファミリーからのご指名を頂くことは非常に稀なのだそうです。
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馬が繋いだ、濱野家と皇室のご縁。
当主・濱野有の財布にも「馬」。
父、濱野敬之と皇室とのご縁のきっかけとなった
濱野家のシンボルとして、
馬の蹄をかたどった銀製チャームを誂え、
肌身離さず持ち歩いているという。
__2013年、7月。先代・濱野敬之のあとを継ぐ濱野家直系の濱野有のもとへ「この夏のご公務のためのバッグを」との新たなご指名を賜り、軽井沢の工房にてお仕立てする運びとなりました。
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東京から約1時間と少し。 降り立つと、すっと澄み切った空気に体が包まれる。 軽井沢・・・言わずもがな避暑地として名高いこの地から 車で十数分のところに、その工房はありました。
カタタン、コトトン。ミシンの音。革のいいにおい。
澄んだ空気にのって、バッグの生まれる音がする。
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ここは、濱野家で先代濱野敬之の頃に前工場長を務めた
職人の長とも言うべき荻原森茂氏の工房。
現当主・濱野有とは子どもの頃からの付き合いということで、
会えば相好をくずして話が弾む。
「荻原さんには、若い頃バッグづくりを叩き込まれたからね。
当主になったって頭があがらないよ」と濱野有。
そんな和やかな笑い声とともに 軽井沢の穏やかな空気が流れる工房のロビーを抜け、 一歩入るとどことなく、ピリリと張り詰めた雰囲気へ。
机に広げられた、透き通るほどの乳白色の幾枚もの革。 無数のグラデーションを奏でる糸の束。 そして、一枚の、一見シンプルな図面。
「今日は、宮家の方からご依頼頂いたバッグを作る日だから。 荻原さんのこの工房でしか作れないからね。」
ロイヤルファミリーから濱野有へご指名頂いたバッグが、 今、軽井沢で産声を上げようとしています。
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Q,ロイヤルバッグは、普通のバッグと何が違いますか?
A,靴とバッグはアンサンブル。おそろいの革で仕立てるんだ。
「革を見たときには不安になったね」 そう語るのは濱野家先代の頃からの職人であった荻原氏。
「やんごとなき方のバッグは往々にして靴から決まる。 そうすると、同じ革でバッグを作って合わせる必要が出てくるから靴とおそろいの革でバッグを作るんだよ。
靴って当然履くものだから、バッグの革よりも頑丈に出来てて、表面が硬く締まってるんだよ。だからバッグとしての味が出にくい。カチっと決まっちゃうんだ。それをただ柔らかく仕立てようとしても、硬いから無理が出てシワが出てしまう。
バッグの常識では出来ないのがロイヤルバッグ。 そんな中で、どう良いバッグを仕立てるかっていうのが 腕の見せ所だね。」
「やんごとなき方のバッグは往々にして靴から決まる。 そうすると、同じ革でバッグを作って合わせる必要が出てくるから 靴用の革でバッグを作るんだよ。
靴って当然履くものだから、バッグの革よりも 頑丈に出来てて、表面が硬く締まってるんだよ。 だからバッグとしての味が出にくい。 カチっと決まっちゃうんだ。 それをただ柔らかく仕立てようとしても、 硬いから無理が出てシワが出てしまう。 で、さらにゴート(ヤギ革)でしょう。 ヤギは革が小さくて扱いにくいよ。
バッグの常識では出来ないのがロイヤルバッグ。 そんな中で、どう良いバッグを仕立てるかっていうのが 腕の見せ所だね。」
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Q,今まで作った中で印象深いロイヤルバッグはありますか?
A,平成のロイヤルウェディングのプリンセスバッグが忘れられない。
「僕の師匠は、先代の妃殿下のバッグを作った職人でね。僕はまだまだ若かったから、最初は雑用的なことだったけれど少しでも関わったのが自慢だね。それから、一番忘れられないのが平成のロイヤルウェディングでプリンセスがお嫁入りをされる際にお嫁入り道具として作ったバッグ。プリンセスのバッグを、思うように作らせてもらってね、あれは忘れられないね。
これがそのあとの濱野家のバッグづくりのルーツになってる。 真骨頂は、“硬いバッグを、やわらかく仕立てる”。 ハンドバッグの常識では出来ないバッグだったけど、濱野家のプライドにかけて作ったよ。二世代、三世代にわたりロイヤルファミリーのバッグをお仕立てしたことが誇りだし、光栄なことだね」
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“硬いバッグを、やわらかく仕立てる”。
当主・濱野有が広げるのは、確かに、色こそ乳白色で 柔らかい趣ながらも、パリっと仕上がった硬質な靴の革。
さて、この硬い革で、やんごとなきバッグは どんな“やわらかな顔”へ・・・
荻原氏が一番弟子とともに、 これより仕立てるバッグの全容は当然ながら門外不出。 残念ながら実物をご覧頂くことはできませんが、 当主・濱野有の“問はず語り”にて ささやかながらロイヤルファミリーと濱野家に纏わる ヒストリーをお楽しみくださいませ。
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Q,最後に濱野さんへ。濱野家にとって、ロイヤルバッグとは?
A,“察して”つくる、究極のオートクチュール。
「宮家の方々はこうしたい、ああしたい、ということはおっしゃらないよ。 常に穏やかでいらっしゃって我々に対しての気遣いをすごく感じる。
だから、僕らは察しとっていく。 どの季節、どういうところへお持ちになるのか、 そこで、どういう方とお会いになるのか。 察するということに、とても日本らしい奥ゆかしさを感じる。 世に無いものを察して仕立てる究極のオートクチュールだね。
ロイヤルバッグの仕立ては、 バッグを作るものにとって、まさに究極のロイヤルステージ。 常にそのステージにふさわしくありたいと思うよ」
「持つひとが、美しく見えるバッグづくりを」 明治より美しい手仕事をかたくなに守りながら、たゆまぬ革新を続け、時を超える価値を生み出し続ける濱野家。 その濱野家のもう一つのルーツが、ロイヤルファミリーのバッグを3代にわたり誂え続ける歴史を紐解くことで読み解けるかもしれません。
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そして、傳濱野は、シンプルなバッグの究極へ。
ロイヤルバッグは、バッグの常識を覆し、なおかつ、静謐な美しさが求められる。 やんごとなき制限の中で、バッグは、自然とごくシンプルなものに行き着いていく。
当主・濱野有が、ロイヤルバッグから学んだことがあるという。 「持つひとが美しく見えるバッグはシンプル。そしてシンプルなバッグこそ、ごまかしが効かない。 仕立てる方法は、唯一つ。手にするひとを想像して、察すること。」
現代に濱野家を継承する"傳濱野はんどばっぐ"で、 当主・濱野有が本当に作りたかったバッグ・・・ それは、「持つひとが美しく見えるシンプルなバッグの"究極"」 ということなのかもしれません。